さてさて、前回までの話は主にタイ・ミュージック初体験的なものを書きました。
タイに行き始めた90年代後半は、あくまでネタ的なものをメインに探してて、それはある意味タイという国に対して、平たく言えばバラエティ番組っぽく、悪く言えば上から目線で色んな音源を漁りまくってました。
そんなとき、G-ダイアリーっちゅう雑誌にこのバンドが取り上げられてました。
因みにこの雑誌、いわゆるタイの風俗誌みたようなもんです。
まぁ、夜の街のことが大半ですが、当時はタイの最新鋭な音楽情報が1ページだけ載ってまして、その頁でその後、PLUやPARADOX、MODERN DOGなんかも知ることができたわけですが、その中でもとにかく個人的にお気に入りやったのが、このSilly Fools。
初めて買ったのは、この曲が収録されたアルバムではなく、「CANDY MAN」ってセカンドアルバムでして、こんな激しい曲は皆目なかったんです。
それでもなんか彼らのバックボーンとなるものに、例えて云うならパンク的なものを感じさせるものがありました。
だからこそ、いつ彼らが爆発してくれるのかと心待ちにしておったわけなんですが、私の買った『CANDY MAN』の次のアルバム『MINT』では、なんともポップ路線にはしって行ってしまったんです。
まぁポップとはいえ、彼らの根底にあるフツフツとしたものがあるのは、その中から感じられましたし、だからこそその次のアルバムに期待してたわけです。
で、出たんです。4枚目のアルバム『Juicy』が。
正味の話、この曲以外は前作の『Mint』路線で非常にポップ。
この曲もかなりポップですが、ザクっと刻むTONのギターリフとTORの細かいのに大きいグルーヴを感じさせるイントロのフレーズは多分ロック史上に残るかなと。
それにTOHの民族的なセンスを取り入れたヴォーカルラインとこの曲では低音を刻むことに徹しているLANGのベースが加わったこの曲自体、ロック史上に残る、いや、残したい1曲です。
彼らだけでなくタイロックのヒトたちってレーベルの制約があるのかないのかは分かりませんが、とにかくリフは重たかったり、イカツかったりするんですが、ヴォーカルラインがとってもポップでキャッチーなところがあるんです。
それがアジア特有の味なんかなぁ…などと感じたりもしますが。
ただ、これが非常に微妙なところでして、そこにこだわりすぎてしまうと、昨今のBIG ASSのような日本のビジュアル系と何ら変わらんような音になってしまってぜんぜん面白くないんですがね。
その後5枚目のアルバム『KING SIZE』を最後にヴォーカルのTOHは抜けてしまうんです。
このアルバム、買った当時はあまりのポップすぎなところ聴くに耐えへんかったんですが、今回改めて聴くと、昨今のタイロックにはない、明るいのにどこか哀愁漂う歌メロに涙してしまいます。
Silly Foolsは新しいヴォーカルを入れてニューアルバムをリリースして、TOHも新バンド"HANGMAN"を結成してアルバムをリリースしたところまでは知ってます。
SFのほうは、声は違えどそれなりにTOHのヴォーカルスタイルを踏襲したもんだったんですが、最後のひとひねりがない感じ。
一方HANGMANはTOH独特の世界観がかなり強調されてますし、メンバーもSFに負けん位上手…でも曲ありきではなくてプレイありきなところに若気の至りを感じずにはいられんといった具合。
一方HANGMANはTOH独特の世界観がかなり強調されてますし、メンバーもSFに負けん位上手…でも曲ありきではなくてプレイありきなところに若気の至りを感じずにはいられんといった具合。
結局この2バンド、今どうなってるんでしょね。
3+1=4にはならんし、1+3=4とは限らんというのが、なんとも哀しい。
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